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インプラントの歴史

「サファイア」「形状記憶」「ブレード」…

 歯科用インプラント治療が登場してからおよそ、30年が経ちました。この間に、いろいろなインプラントが出ては消え、出ては消えていきました。私が知る限りでも、材質では「サファイアインプラント」「形状記憶インプラント」など、また、形状では、現在主流になっているシリンダータイプのほかに、リンコーに代表されるようなブレードタイプ(板状)、スタータニアスインプラントのように、板状とシリンダーのくっついたものなど。その他、手術をしてすぐ、被せ物を装着し、その日から機能させる「即時負荷型」と、手術でまずインプラント本体を骨の中に埋め、4〜6ヶ月待って、十分骨とくっついた後、初めて被せ物を入れ、力をかける「2回法」などという分類ができると思います。
 この中で、「サファイアインプラント」(主に京セラが出していた。)は完全に消え去り、形状記憶インプラントも失敗症例が多く、消えていきました。
 また、20年ほど前は主流だった板状のブレードタイプも今ではすっかりお目にかかることもなくなりました。現在では、インプラントといえば、メーカーにより多少の違いはあれ、「チタン製」で、「シリンダータイプ」のものをさします。

ブレードからシリンダーへ

 私が大学を卒業し、駆け出し歯医者だった昭和の終わりごろは、まさに板状のインプラントとシリンダータイプの過渡期でもありました。勤務医時代、先輩のドクターに怒られながら、インプラントの手術の助手をやっていたことが昨日のように思い出されます。板状のインプラントを入れるときなどは、かなり骨を削り、その溝が少しでも曲がると、板状のインプラントは、埋入予定位置には絶対入りません。その、削った溝に、「曲がりがないかどうか?」また「深さは均等になっているかどうか?」などの確認が、私の重大な役割だったような覚えがあります。その後、はじめて見たシリンダータイプがIMZインプラントでした。これがモリタによって、ドイツから日本に紹介されたのが、たしか昭和63年だったと思います。そのとき「これはまた、ずいぶん手術が簡単だな!!」と率直に思いました。「簡単」という表現には語弊がありますが、「術者の腕の差」が最小限で澄むということです。そして、患者様の体にも負担が少ないということです。初期型のIMZインプラントは、現在のレベルから見ると、「考え方」や「形態」等にかなり問題があるのも事実ですが、以前の板状のインプラントに比べて、「患者様の骨をあまり削らず」「手術がシステム化された」というのが大きな驚きでした。その当時は、もう平行して「ブローネマルクインプラント」や「ITI」も入ってきた時代です。ここにこうして、リンコーブレードに代表される板状のインプラントは終わりを告げることになりました。今後、いろいろなインプラントが各メーカーから出てくると思いますが、「チタン製」で「シリンダータイプ」というのは変わらないと思います。今後の課題は、「いかに条件の悪い患者様にインプラント植立して、咬む喜びを味わっていただくか」という点に絞られてきたのではないかと思います。
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